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今も現存する屋上遊園地を訪ねる
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屋上に遊園地があるデパート、と聞くと、もう昔の話だと思う人が多いかもしれません。実際、多くの施設が姿を消しました。ただ、2026年9月時点で公式サイトに営業の記載がある施設は、今も何か所か残っています。
今も営業している屋上遊園地
公式サイトで営業の記載を確認できたのは、次の施設です。確認日はすべて2026年9月28日です。
東急プラザ蒲田の屋上「かまたえん」(東京都大田区)には、公式ページで都内唯一の屋上観覧車と紹介されている「幸せの観覧車」、空気で膨らませた遊具「風の丘」、乗り物「エコライド」があります。営業時間は10時から18時、冬季(12月〜2月末)は17時までと公式ページに記載されています。なお東急プラザ蒲田は正式には百貨店ではなく商業施設です。
松坂屋高槻店の「屋上遊園スカイランド」(大阪府高槻市)は、公式のフロアガイドに屋上(RF・6F)の案内として現在形で記載されています。個別の遊具名や営業時間までは、公式ページの本文には見当たりませんでした。
松坂屋名古屋店の「屋上遊園」(愛知県名古屋市)は、2024年5月から約9か月休業したあと、2025年3月2日に「47年ぶりのリニューアル」としてオープンしました。大丸松坂屋百貨店の発表によると、レトロな遊具約60点と新しくデザインした遊具約10点を合わせて約70点があり、面積は約700坪(約2300平方メートル)です。
いよてつ高島屋の「大観覧車くるりん」(愛媛県松山市)は、直径45メートル、高さ85メートル、1周約15分の観覧車です。営業時間は午前10時から午後9時までと公式サイトに2026年9月28日時点で記載されています。なお、2025年12月の地域メディアの報道では、イルミネーションをLED化する工事のため2026年1月から3月にかけて運休し、3月末に営業を再開する予定とされていました。伊予鉄・いよてつ高島屋自身の発表文そのものは確認できていません。
確認できなかった施設もある
石川県金沢市の大和香林坊店には、屋上フロアの案内に「屋上」の表記があります。個人のブログやSNSには屋上の遊び場「プレイランド」で遊んだという投稿も見られますが、2026年9月時点で確認した公式サイトの複数ページには、遊具名や営業時間の記載が見当たりませんでした。営業しているかどうかは確認できていません。
閉じていった屋上遊園地
すべてがそのまま残っているわけではありません。
丸広百貨店川越本店の「わんぱくランド」は、建物の耐震工事でスペースを確保するため、2019年9月1日に閉園しました。長崎浜屋の屋上プレイランドは、地域の報道によると運営業者の廃業と後継が見つからなかったことなどから、2024年5月6日に営業を終えています。遊具の一部は近隣の商業施設「ながさきココウォーク」に移設されましたが、月に一度、未就学児限定のイベント時だけ使える限定的な形での復活です。佐世保玉屋の屋上遊園地は、2020年の上層階閉鎖にともなって終わりました。東急百貨店吉祥寺店の屋上は、2021年1月のリニューアルで遊具のない広場に姿を変えています。
なぜ多くの屋上遊園地が姿を消したのか
Wikipedia「屋上遊園地」の記述によると、店舗内の遊戯施設のはじまりは1903年、日本橋の白木屋呉服店が設けた遊戯室にさかのぼります。常設の屋上遊園地としては、1931年11月に東武浅草駅の駅ビルへ開店した松屋浅草店が日本初とされ、1950年代半ばから1960年代後半にかけてが全盛期でした。
転機になったのは、1970年代前半に相次いだ火災です。1972年に大阪の千日デパートで、1973年に熊本の大洋デパートで、いずれも死者100人を超える火災が起きました。これを受けて消防法が改正され、建物の屋上は半分を避難区域として確保することが義務づけられました。既存・新規を問わず大型の遊具を置くことが難しくなり、屋上遊園地は少しずつ減っていきました。
子どもの数そのものが減ったことも、しばしば要因として挙げられます。マグミクスの記事が挙げる数字では、出生数は1974年の202万9989人から、2023年には75万8631人まで減っています。ただし、出生数の減少と屋上遊園地の施設数の減少を直接結びつけた統計は見当たりませんでした。
「全国に何施設」という数字が一致しない理由
「全国に1施設だけ」「今では5か所」など、記事によって数字が違うのは、調べた年や対象、そして何を「屋上遊園地」と数えるかが違うためです。
2019年4月の記事は、バンダイナムコアミューズメントの調査として「大型動力遊具がそろって常時営業している『デパート屋上遊園地』は全国でここにしか残っていない」と紹介しました。この「ここ」は丸広百貨店川越本店のことで、記事自体がこの施設の同年9月の閉園を伝える内容でもありました。つまり「全国で1施設のみ」は、2019年当時の、しかもその1施設が数か月後に消えることが決まっていた時点の数字です。
一方、2023年10月には朝日新聞が、日本百貨店協会に加盟する全170店舗に電話で調査しています。「常設の屋上遊園地」があり営業していると答えたのは、松坂屋高槻店・松坂屋名古屋店・大和香林坊店・いよてつ高島屋・長崎浜屋の5店舗でした。この調査は百貨店協会加盟店に限られており、正式には百貨店ではない東急プラザ蒲田は対象に含まれていないとみられます。この5店舗のうち浜屋は屋上プレイランドを2024年5月に閉じているため、2023年時点の「5店舗」は今の状況とは一致しません。
数字を見るときは、いつの時点の、どの範囲を対象にした調査かを確かめる必要がありそうです。
つむぎや百貨店の屋上遊園地は、券売り場でもらう「のりもの券」で、観覧車や回転木馬、豆汽車に乗ることができる3D空間です。ブラウザの中を歩いて見て回れます。乗り物にちなんだ玩具や駄菓子は、屋上遊園地の売り場ページでご覧いただけます。
出典
- 東急プラザ蒲田「屋上かまたえん」公式施設ページ(出典)
- 松坂屋高槻店 公式フロアガイド(出典)
- 松坂屋名古屋店 公式フロアガイド(出典)
- 大丸松坂屋百貨店 公式プレスリリース(松坂屋名古屋店 屋上遊園リニューアル)(出典)
- いよてつ高島屋 公式「営業時間・駐車場」(出典)
- いよてつ高島屋「くるりん」運休についての地域報道(出典)
- 大和香林坊店 公式サイト フロア一覧(出典)
- 丸広百貨店 公式プレスリリース(わんぱくランド閉園)(出典)
- 長崎浜屋 公式お知らせ(屋上プレイランド営業終了)(出典)
- ながさきココウォーク公式(浜屋の遊具の一部移設について)(出典)
- 都市商業研究所(佐世保玉屋の縮小経緯)(出典)
- Wikipedia「佐世保玉屋」(出典)
- 東急百貨店吉祥寺店 公式フロアマップ(出典)
- Wikipedia「屋上遊園地」(出典)
- マグミクス「昭和に愛された『屋上遊園地』はなぜ消えた? 少子化だけではない理由」(出典)
- バンダイナムコアミューズメント調査の引用記事(朝日新聞gakujo、2019年)(出典)
- 朝日新聞富山総局 公式X投稿(百貨店協会加盟170店舗調査の結果)(出典)